嶽本あゆ美作「彼の僧の娘ー高代覚書」の映像を期間限定無料公開しました。
投稿日: 2023年9月1日
今年の9月1日は、関東大震災とその後に起きた朝鮮人虐殺事件から１００年目。
ロシアが仕掛けたウクライナ戦争をはじめとして世界中でいまだに続いている戦争。
敵と味方という二元論、敵は悪という「誤った正義」そしてそれに基づいた大衆の「誤った協調性」は、何度誤った歴史を繰り返しても、大衆は学ぶことがない。
だから、戦争の歴史は繰り返される。
嶽本あゆ美さんの作品「彼の僧の娘ー高代覚書」は、門真国際映画祭２０２１で大阪府知事賞を含む最多受賞した「太平洋食堂」と同時上演された作品で、大逆事件で無実の罪を着せられ獄死した僧侶髙木顕明の娘加代子（高代は芸者時代の源氏名）の国賊の娘として虐げられた子供時代、芸者として名を成した娘時代、宗教家となった晩年の人生が再現されます。理不尽で地獄のような人生に対比して、名人揃いの邦楽陣の音楽が実に美しい。
作者の嶽本あゆ美さんが9月2日に新潟の真宗大谷派主催の宗教人による集会でこの僧侶とその娘について語りますが、語り切れないことを理解していただくため、この作品の映像を期間限定無料公開することにしました（９月末まで）。
宗教に携わる人には、あの世の見えない世界について語るより、現実社会で見えているにもかかわらず見えていない大事なことをこの作品の高代の言葉から学んで欲しいと思います。
公開にあたり、この作品の素晴らしさがより伝わるように、編集をやり直しました。
役者さんの渾身の演技、邦楽陣の名演奏、この作品に関わった多くの方の想いを少しでも感じていただけると幸いです。
